コーヒーの味が変わった?
世界で流通しているコーヒーの約75パーセントが小さな農家の手によって栽培されていることをご存じだろうか? しかし、その多くは近年、自然破壊や気候変動の影響を受け、収穫量の減少、品質の低下に悩まされている。
イギリスのフェアトレード団体「カフェダイレクト」は、カーボンクレジットの取引で、コーヒー農家を支えるプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトの対象はペルーのアンデス山脈ふもとのコーヒー農家たち。
カフェダイレクトは、数年前からこの土地で農地改善プロジェクトの指導をしていた。そのなかで、アンデス山脈の中腹にあるチョコ村の森林伐採が、ふもとの農地に洪水やかんばつをもたらす一因になっていることに気づいた。
森を守り育てるためのインセンティブを
カフェダイレクトは考えた。寄付を集めて植林を行えば、一時的に問題を解消できるかもしれない。だが、長期的な視点で見れば、チョコ村の村民自身が、再び森を育て守っていこうと考えるようなしくみづくりが必要だ。
そこで始めたのがカーボンクレジット取引だ。カフェダイレクトは、まずカーボンクレジット購入費として、チョコ村に報酬を払う。村民はその収益で植林を行ったり、生計を立てたりすることができる。
カフェダイレクトは二酸化炭素1トン分の吸収源(森林)につき、1カーボンクレジットを購入したことになる。このカーボンクレジットは、世界各国のコーヒーサプライチェーンに向けて販売する。
このしくみによって、チョコ村ではこれまでに224ヘクタールの植林が行われた。現金が入ってくるため、村民たちのモチベーションは高い。またカーボンクレジットの売り上げの一部は、コーヒー農家の農地改善プロジェクトに役立てられている。
カフェディレクト
http://www.cafedirect.co.uk/