マレーシアやベトナムに負けるな
インドネシアの環境汚染と破壊は、2009年の時点で年5%の生産力低下を招いていることが、世界銀行の調べでわかった。
これを受けて環境大臣のカムブアヤ氏(下に顔写真)は、22日、インドネシアの開発は、残念ながらいまだ「持続可能」という理念の上に立っていないと声明を発表した。
カムブアヤ氏によると、インドネシアの過去10年間の森林喪失率は、年平均で117万ヘクタールにのぼる。また鉱脈のある地域では70%の自然が、最近の12年間で破壊されたという。
さらに、政府や企業がどれだけ環境保護に有効な政策をとっているかを評価する「環境パフォーマンス指数(EPI)」が、政府の予想よりもはるかに下回った点も指摘。2012年のエール大学環境法政策センターの発表では、インドネシアは132か国中74番目だった。
「これは、シンガポール、マレーシア、ベトナムなどほかの東南アジアの新興国よりも低い」と、カムブアヤ氏は強調する。
政府と企業は重い腰
しかし、インドネシア政府はこれまでと同様の開発プランを2025年まで進めていく予定だ。また、2011年に環境省は1002の企業に対して、環境アセスメントを実施するように勧告したが、その多くが腰を上げていない。
カムブアヤ氏は、現実問題として個人や企業、政府が環境へ配慮することなしには、今後の経済発展はあり得ないと苦言を呈する。
「今のような天然資源の浪費や自然破壊を続けていけば、遠くない将来、現在の世代に大きなしっぺい返しがくるでしょう。それぞれのライフスタイルをもっと環境にやさしいものにシフトしていかなくては」。
世界銀行
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