再稼働決定の裏で続く抗議
福島第一原発事故収束の見通しがつかないなか、野田総理は大飯原発の再稼働を決定した。しかし今もなお、抗議活動が各地で続けられている。
このうねりは国内にとどまらない。17日のJapan Timesの報道によると、先週、ヨーロッパ、アメリカ、アジア各地でも、反原発を訴える人々や政治家が日本大使館に抗議文書を送ったり、デモを行ったりする動きがあったという。
日本だけの問題ではない
12日、ドイツでは、緑の党の議員全53名が、連名の抗議文書を野田総理と福井県の西川知事に送った。オーストラリア緑の党のスコット・ルドラム議員もキャンベラの日本大使館に抗議文を送った。
15日、イタリアでは、再稼働の一時停止を求める3700人の署名がローマの日本大使館に提出された。ニューヨークでは、反原発活動グループが日本領事館に抗議文書を提出。
同日、タイでは、反原発活動家たちが日本大使館の前でデモを行い、日本政府は今回の決断を再考すべきだと訴えた。また韓国でも、ソウルの日本大使館前でデモが行われ、現地在住の日本人も活動に加わったという。
18日にも、ワシントンの日本大使館前で抗議集会が開かれるという。また今週中にシカゴとロサンゼルスでも、別のグループの主催でデモが行われ、日本領事館に抗議文書を提出する予定だ。
辞める首相がどうやって責任をとる?
そして、日本。15、16日に首相官邸前で行われたデモ参加者の数は1万人にのぼったともいわれている。掲げられたプラカードのひとつには、「いずれ辞めちゃう首相が、責任なんてとりようがないじゃないか」と書かれていたという。国内外からの切実なメッセージ。野田首相には届いているだろうか。
(編集部 野口和恵)
Japan Times
http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120617a4.html