リサイクル業界のうそ
アメリカの電気電子機器リサイクル会社のうち、70~80%の会社が廃棄物を途上国に送っているという。さらに、電子廃棄物全体のうち実際にリサイクルされているのは、11~14%にすぎない。
これは、Waste Management World.comが報じた、アメリカ環境保護エージェンシー(EPA)の推計だ。それによると、電気電子機器リサイクル会社の多くは、中古品として電子機器を途上国へ輸出しているが、実態は、使えなくなった電子機器を途上国へ押しつけているケースが多いという。
携帯電話をはじめとする電子機器には、水銀など公害の原因となる物質が含まれている。不適切な処理が、土壌汚染、水質汚染などを引き起こし、再生できるはずの資源が無駄になっているとEPAは指摘する。
廃棄物のゆくえを知っているか?
アメリカの非営利団体、バーゼル・アクション・ネットワークは、電気電子機器のリサイクルを行う業者を対象とした認証制度「イースチュワード」プログラムを実施している。
イースチュワードの認証を得るには、おもに次のような条件を満たしていることが必要になる。
・有害物質を埋め立てたり焼却したりせず、適切に処理していること
・有害な廃棄物を途上国に送っていないこと
・安全な労働環境を保っていること。とくに幼い子どもを劣悪な環境で働かせていないこと
・廃棄物処理が環境に与える影響について、モニタリング調査を定期的に行っていること
・廃棄物の処分過程を把握し、説明責任を果たせること
どの企業も横並びに「エコ」をアピールしている昨今。しかし、実際、各社がどのように、どれほど環境保護に貢献しているかは見えにくい。本当に環境貢献度の高い企業を見極めるためには、こうした認証制度がひとつの物差しとなるだろう。
イースチュワード
http://e-stewards.org/Waste Management World.com
http://www.waste-management-world.com/index/display/