「エコ」なばかりじゃない舞台裏
今年、1月から5月までにアメリカで販売されたハイブリッド車と電気自動車は19万3000台以上にのぼり、同月比で過去最高値を記録した。
10年前は、ハリウッドスターの愛車としてアピールされていたエコカーが、現在では一定の市民権を得ているようだ。それにともない、ハイブリッド車、電気自動車に使われているバッテリーリサイクルの需要が高まっている。
バッテリーに使われているリチウムなどのレアメタルやレアアースは、埋蔵量が少なく、安定供給が課題となっている。また、皮肉なことに、これらの希少資源を採掘する過程でも、森林破壊、環境汚染が起きているのも事実だ。
廃車が増える今後10年が勝負
しかし、今後廃車になるエコカーが増えれば、不要になったバッテリーからマテリアルを取り出し、リサイクルすることができる。
waste management world.com によると、2009年の時点で、米エネルギー省は、バッテリーリサイクルの需要拡大を見こんで、電池リサイクル会社のTOXCO社に950万ドルを投じ、リサイクル工場の設立を要請。現在、TOXCO社は今後10年の需要に対応するため、ランカスター、オハイオの工場で、プラントの処理能力の改善に取り組んでいるという。
また、ベルギーに本社を置くUmicore社は、バッテリーパックの解体工場をノースカロライナに建設した。ここで解体した部品をベルギーのプラントに送り、再利用する。
エコカーのリサイクルは、リサイクル業界の新たなビジネスチャンスであり、自動車メーカーにとってはコスト削減ができるというメリットもある。今後10年で、エコカーを取り巻く環境は、また大きく変わりそうだ。
TOXCO社
http://www.toxco.com/Umicore社
http://www.umicore.com/en/waste management world.com
http://www.waste-management-world.com/index/