ここは熱帯植物園?
フランスサイト「ouestfrance-entreprises.fr」では、6月24日付の記事において、フランス西部、ブルターニュ地域圏レンヌ(イル=エ=ヴィレーヌ県)に登場した全く新しいタイプの浄水システムについてレポートしている。
外観は210㎡のガラス張りの温室で、中にはハイビスカス、バナナ、竹、ヤシなど25種類の植物が貯水槽から顔を出している。湿度は70%に保たれ、まるで熱帯植物園のようだ。この数メートル下には、画期的な浄水システムが隠れている。
※画像はイメージです植物とバクテリアで優しい浄水
秘密は貯水槽に浸された植物の根にある。ここにバクテリアとその他の微生物(原生動物や動物プランクトンなど)が発生し、それらが排水に含まれる廃棄物を摂取する。これは自然なかたちで浄水できるようにこの槽内に生態系を定着させる「Organica」という方法だという。
従来の浄水方法では不可能だった排水中の抗生物質やエストロゲンも固定することができるという。また旧システムではせいぜい500世帯分の浄水がやっとであったが、新システムでは4000世帯分、1日1000㎥の排水を扱えるのだという。他にも、浄水の際の臭いが抑えられ、低エネルギーで、汚泥の量も減ったという。しかし、システムの維持には以前より人手が必要とのことだ。
浄水場設置にかかるコストが従来のものに比べ安いところも利点の一つ。また早速教育機関からの見学依頼も受けたそうだ。子供たちはここでどのような仕組みで水が浄化されていくか、じっくり学ぶことができるのである。
ouestfrance-entreprises.fr
http://www.entreprises.ouest-france.fr/