クレー射撃の標的の変遷
いよいよロンドンオリンピックがスタートした。7月28日付海外サイト「Midi Libre」では、オリンピック種目であるクレー射撃の標的にスポットをあててレポートしている。
クレー射撃とはクレーと呼ばれる皿のかたちの標的を飛ばしてそれを撃ちこわす競技であるが、以前は標的としてなんと生きた鳩が使用されていたのだ。1900年のパリオリンピックの際、クレー射撃会場には血に染まった羽根の山が出来上がったという。しかしそれから112年を経て、わたしたちはエコオリンピックの時代へと突入した。今回のロンドンオリンピックでは「持続可能」が合い言葉である。
※画像はイメージです有毒物質はほぼゼロで家庭用ごみとしても出せるエコな標的
大会期間中、各国の選手が撃ち落とす標的の数は20万枚を超える。オレンジ色の2枚の皿を張り合わせ、中には3グラムの蛍光色の粉が入れられている。
練習用や予選では粉の色は緑色であるが決勝では赤色であるという。粉に毒性はなく着色には食用色素が使用されており、標的としての役割を終えたあとは家庭用のごみとして出しても差し支えが無いほどクリーンなのだという。
生きた鳩を競技に使用していたというショッキングな時代から環境への配慮にウエイトが置かれるオリンピックへと、ここにも一つ、時代の変遷を垣間見ることができるのではないだろうか。
Midi Libre
http://www.midilibre.fr/