水素ステーションの省エネ化、低コスト化につながる技術を開発

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)は、2015年12月11日、圧縮機を使わずに、ギ酸から高圧水素を連続的に供給する技術、高圧水素連続供給法を開発したと発表した。

燃料電池自動車の普及に合わせて水素ステーションの設置が進む一方で、設備費と維持費のコストが課題となっている。中でも、水素の圧縮にかかるコストは供給する水素価格の約50％を占める。そのため、高圧水素製造の省エネルギー化、低コスト化が求められていた。

高圧水素連続供給法は、水素キャリアのギ酸と触媒のイリジウム錯体を用いて40MPa以上の高圧水素を発生させ、さらに、高圧であることを利用して二酸化炭素を液化後に分離させることで、高圧水素を容易に製造する技術である。

この技術は、理論上では200MPa以上の高圧水素を製造できるため、燃料電池自動車などへの高圧水素(70MPa)の供給は十分に可能である。水素ステーションの小型化と供給水素の低コスト化に貢献すると期待される。

今後、産総研は水素の純度を100％に近づける技術を開発するなど、実用化に向けた研究を進めると共に、高圧の液体二酸化炭素を活用した水素キャリアシステムの構築も目指していく。

（画像はプレスリリースより）




産業技術総合研究所　プレスリリース
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