JCMを利用したプロジェクト
日立化成株式会社は、2015年12月7日、同社の「鉛蓄電池製造工場への電槽化成設備導入による省エネルギー」が、環境省の二国間クレジット制度(JCM)を利用したプロジェクト設備補助事業に採択されたと発表した。
JCMは、CO2の排出を削減する技術、製品、システム、サービスなどを途上国に普及させ、CO2の排出削減を支援すると同時に、排出削減・吸収された温室効果ガスを定量的に評価し、日本の削減目標として活用する制度である。
電槽化成方式
今回、同社は、日本国内で開発した小型制御弁式鉛電池製造に電槽化成を適用した技術をベトナム企業の製造ラインの一部に導入し、省エネルギー化を図る。導入先は、ベトナムに所在する連結子会社CSB Battery(Vietnam) Co., Ltd.である。
未化成の正極板と負極板を電槽内に設置し、電解液を注入して化成する方式が電槽化成である。この方式を採用すると、化成と充電工程が統合されて電力使用量を抑制する。
さらに、水洗・乾燥工程での液化石油ガス(LPG)の使用量がなくなり、化石燃料を由来とするCO2は年間2,880トン、約60%が削減される。水洗工程も不要となるため、水の使用量の削減も可能になる。
同社は、CO2排出削減を図ることを目的とした「カーボンマネジメント戦略」を推進する中で、今後も、エネルギーの使用を抑えた環境対応型製品の開発や新規のプロセス開発に注力する方針である。
(画像はニュースリリースより)
日立化成株式会社 ニュースリリース
http://www.hitachi-chem.co.jp/