燃料電池の市場拡大を目指す
NEDOは、2015年11月30日、業務用燃料電池システムの実用化技術開発を行う2件の新テーマを採択し、水素利用の拡大に向けて、2017年の市場投入を目指すと発表した。
家庭用燃料電池「エネファーム」が2009年の発売以来、約14万台を売り上げた。エネルギー効率が高く、水素などが燃料となる燃料電池は、エネルギー消費量や環境負荷の低減に寄与するとして期待が高まっている。
燃料電池分野の市場をさらに広げるため、経済産業省では「水素・燃料電池ロードマップ」を策定し、業務用燃料電池を2017年に市場導入するとの目標を掲げた。
固体酸化物形燃料電池システムの実用化
NEDOも燃料電池の本格的な普及と中・大容量システムへの展開を目指したプロジェクト固体酸化物形燃料電池等実用化推進技術開発」を立ち上げ、技術開発と実証研究を2013年度~2017年度に実施中である。
今回、このプロジェクトで数~数百kW級の固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムを実用化する技術開発2件に取り組む。SOFCは電解質にイオン電導性セラミックスを用い、作動温度は700~900度、水素や天然ガスなどを燃料とする。NEDOは以下の案件について助成を予定している。
株式会社デンソーは、5kW級の業務用SOFCシステムを飲食店、理美容院、小規模医療、福祉施設などのユーザーに導入し、その効果を検証する。
三菱日立パワーシステムズ株式会社、トヨタ自動車株式会社、日本特殊陶業株式会社はSOFCとマイクロガスタービンを組み合わせた250kW級のハイブリッドシステムの実用化開発を行う。
(画像はプレスリリースより)
NEDO プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100496.html