使用済みの紙が新しい紙に
セイコーエプソン株式会社は、2015年12月1日、使用済みの紙を原料にして新しい紙を生み出す世界初の乾式のオフィス製紙機「PaperLab(ペーパーラボ)」を開発したと発表した。
「PaperLab」は、これまでオフィスから製紙(再生)施設へと輸送されていた紙のリサイクルをオフィスで完結させ、機密文書も紙繊維にまで分解されて情報を完全抹消するものとなっている。
PaperLabの技術
同社は、「Dry Fiber Technology(ドライファイバーテクノロジー)」という水を使わない新技術を開発した。
まず、紙を機械的衝撃で綿のような細長い繊維に変え、次に、さまざまな結合素材を用いて、繊維化された材料に色・香り・難燃などの機能を付加する。最後に、用途に合わせて密度や厚み、形状をコントロールして成形する。
使用済みのA4用紙を1分間に約14枚、通常は紙1枚にコップ1杯の水を必要とするが、同機は給排水の設備が不要な上に小型サイズであるため、オフィスのバックヤードで、用途に合わせた厚み、サイズの紙を色や香り付きで生産できる。
同社は、紙の自社内生産を実現する「PaperLab」が、企業や自治体を循環型オフィスに変えることを期待している。
なお、「PaperLab」の開発機が環境展示会「エコプロダクツ2015」(12月10~12日・東京ビッグサイト)のエプソンブースに展示される。商品化は2016年内を予定している。
(画像はプレスリリースより)
セイコーエプソン株式会社 プレスリリース
http://www.epson.jp/osirase/2015/151201.htmエコプロダクツ2015
http://eco-pro.com/2015/