活性炭の吹き込みで制御
JFEエンジニアリング株式会社は、2016年1月15日、廃棄物焼却施設の排ガス中の水銀を除去する新システムを開発したと発表した。
現在、排ガスに含まれる水銀は活性炭を用いた除去が可能であり、水銀濃度に合わせて適切な量の活性炭を吹き込めるように、水銀濃度分析計で計測を行っている。
しかし、廃棄物焼却排ガスに含まれている多量のばいじんが分析計に影響を与えることから、効果的なタイミングで活性炭を投入することは困難だった。
実証試験で好感触
今回、同社が開発した水銀除去システムは、水銀濃度の測定時にばいじんの影響を受けず、活性炭の吹き込み量の制御をダイナミックに実施できるものである。
同社は廃棄物焼却施設に新システムを設置して、約2カ月間稼働させる実証試験を行った。排ガス中の水銀濃度は1立方メートルに10マイクログラムを常時維持し、施設の基準値である50マイクログラムを大幅に下回るという結果となった。さらに、使用する活性炭は半分の量だった。
水銀の大気排出については2013年に「水銀に関する水俣条約」が採択され、排出の管理強化や法的規制も検討段階に入っている。今後、同社は同条約に対応して、廃棄物処理施設への新システム採用に向けた働きかけを進める考えだ。
(画像はニュースリリースより)
JFEエンジニアリング株式会社 ニュースリリース
http://www.jfe-eng.co.jp/news/2016/20160115081601.html