藻類バイオマス燃料の実用化に向けて
三菱化工機株式会社は、2016年1月6日、福島藻類プロジェクト事業に採用された微細藻類回収用分離板型遠心分離機「三菱ディスクセパレータ」が稼働を開始したと発表した。
国立大学法人筑波大学などが産学共同で参画・活動する一般社団法人藻類産業創成コンソーシアムは、福島県の復興を目指した同事業で、藻類バイオマス燃料を実用化するための技術開発とビジネスモデルの策定に取り組んでいる。
プロジェクトはバイオマス生産技術を開発する目的で藻類バイオマス生産実証実験施設を同県南相馬市に建設し、産学官による藻類産業を育成する方針だ。これは、2015年7月に政府が発表した「2020年までに藻類バイオマス等で製造したジェット燃料を導入する」という指針にもかなっている。
藻類バイオマスを回収
藻類培養施設では藻類バイオマスの回収の際に「三菱ディスクセパレータ」を用いて、土着藻類の培養液50立方メートルから5~10%の濃縮液で藻類バイオマスを収穫する。バイオマスが回収された分離液は清澄となり、再び培養液に利用することができる。
分離板型遠心分離機「三菱ディスクセパレータ」は、回転体に内蔵した円錐状のディスク(分離板)を高速回転させて、比重差と遠心力で、液分と固形分、液分と液分2相分離、液分・液分・固形分の3相分離を連続的に実施する。
同社は、藻類の培養、収穫、藻油の抽出を行う藻類バイオマスの生産工程で、同社がもつ固液分離技術や油脂抽出精製・水処理などのプラントエンジニアリング技術が幅広く対応していけると考えている。
(画像はプレスリリースより)
三菱化工機株式会社 プレスリリース
http://www.kakoki.co.jp/news/pdf/p160106.pdf