水銀への規制が進む
Hitz日立造船株式会社は、2016年2月16日、ごみ焼却・発電プラントで発生する排ガスに含まれる水銀を除去するシステムを開発したと発表した。
水銀による健康被害は世界的に問題視されており、規制が進められている。2013年に国連環境計画で「水銀に関する水俣条約」が締結したことを受けて、2016年2月、国内でも同条約の締結が閣議決定された。
ごみ焼却・発電プラントや石炭火力発電所などは同条約で水銀の特定可能な発生源に指定されているため、今後、有害物質を除去する排ガス処理設備においてより確実な水銀の除去が求められるようになる。
水銀を効率的に除去する
水銀には金属水銀(Hg)や塩化水銀(HgCl2)などがあるが、従来の排ガス処理設備では金属水銀の除去は困難だった。
同社が開発した水銀除去システムは、排ガス処理設備の入口で水銀を検出し、ろ過式集じん器入口から水銀濃度に合わせて調整した薬剤を吹き込む仕組みとなっている。同システムの水銀計測装置は金属水銀を選択的に検出できるため、薬剤の吹き込み量を制御しながら確実に水銀を除去することが可能である。
排ガスの他に、飛灰にも水銀は含まれているが、同システムには、ろ過式集じん器が捕集した飛灰を加熱して水銀の分離・回収を行う装置も備わっている。
今後、同社は排ガスおよび焼却灰の水銀除去トータルソリューションとして、全国のごみ焼却・発電プラントに新システムを提供していく。
(画像はニュースリリースより)
Hitz日立造船株式会社 ニュースリリース
http://www.hitachizosen.co.jp/news/2016/02/002023.html