出力変動を抑制する蓄電システム
日立化成株式会社(以下、日立化成)は、2016年3月22日、アイルランド・オファリー州で稼働する再生可能エネルギー用ハイブリッド蓄電システム向けに鉛蓄電池「LL1500-WS」を納入したと発表した。
アイルランドは2020年までに再生可能エネルギーが電力供給に占める比率を40%とする目標を掲げている。
風力発電や太陽光発電の場合、風や日照の状況で出力が数分あるいは数十分の短周期・長周期で変動するため、系統の周波数(電圧)が上下して、電力供給が不安定化することが課題だった。
これを解決する手段として期待されているのが、放電・充電の繰り返しで出力変動を抑制する蓄電システムである。
系統安定化システムの実証試験を開始
アイルランドのSchwungrad Energie Ltd.(ショウングラッドエナジー社)とUniversity of Limerick(アイルランドリムリック大学)は系統安定化システムを開発し、日立化成がこのシステムのハイブリッド蓄電システムを構成する蓄電池を納入することになった。
この鉛蓄電池は、日立化成製の鉛蓄電池LL1500-WSに、高速回転でエネルギーを貯蔵・放出する米国のBeacon Power.LLC(ビーコンパワー社)製のフライホイールを組み合わせた製品で、従来製品より1.5倍の高率充放電性能をもつ。蓄電池の容量、設置スペース、質量も低減され、期待寿命は17年になる。
3月14日、納入した蓄電池の設置が完了し、ショウングラッドエナジー社が系統安定化システムを電力系統に接続させる実証試験を開始したところである。
(画像はニュースリリースより)
日立化成株式会社 ニュースリリース
http://www.hitachi-chem.co.jp/