リサイクルされないPET
慶應義塾大学と京都工芸繊維大学の研究グループは、帝人株式会社、株式会社ADEKAとの共同研究で、ポリエチレンテレフタレート(PET)を分解して栄養源とする新種の細菌を発見し、その分解メカニズムを解明した成果を2016年3月10日、米国科学雑誌「Science」に掲載した。
石油を原料とするPETは容器包装やフィルム、繊維など多様な用途をもち、世界でのPET樹脂総生産量は約5,600万トン(2013年)に達する。
その一方で、使用済みPET製品の多くが廃棄され、唯一リサイクルされるペットボトルでも生産量613万トンの37%のみ、PET樹脂生産量に占める割合はわずか4.1%だ。ケミカルリサイクルなどの手法も行われているが、過大な消費エネルギーが課題となっている。
PETを加水分解する酵素
研究グループは、自然界で生物分解されないと考えられてきたPETに対し、これを分解する微生物を見つけることが低エネルギー型・環境調和型のPETバイオリサイクルの実現につながると考えた。
探索の結果、PETを分解する細菌Ideonella sakaiensis(イデオネラ サカイエンシス)201-F6株を見つけ、これが生産する2種の酵素(PETase,MHETase)がPETを加水分解することを突きとめた。
今後、微生物由来酵素の活性化や安定性の強化を図り、PET製品のバイオリサイクル技術の開発を進めることが期待される。
(画像はプレスリリースより)
慶應義塾大学・京都工芸繊維大学 プレスリリース
http://www.keio.ac.jp/