走る蓄電池
日産自動車株式会社(以下、日産)は、2016年4月8日、神奈川県と横浜市にそれぞれ3台と2台の電気自動車(EV)「e-NV200」を無償貸与したことを公表し、日産グローバル本社にて「e-NV200」発進式を開催した。
多目的商用バン「NV200 バネット」をベースにした「e-NV200」は、室内の広さに加えて、加速が滑らかで静粛であるというEV特有の長所を備えている。
また、パワープラグを用いて屋外での最大1,500Wの電力供給ができるため、走る蓄電池として多様な用途が期待される。バンの他に5人乗り、7人乗りのワゴンタイプもある。
自治体の取り組みに
日産は2015年9月、「e-NV200」を街づくりや行政課題の解決に活用する方法を考案した自治体に、同車を3年間無償貸与し、その取り組みの実施に協力することを発表した。
2015年末から各自治体への貸与を開始しており、このたびの同県、同市への貸与もその一環となる。
「e-NV200」の用途として、神奈川県は県税事務所が行う軽油抜き取り検査などを予定している。路上での検査に必要な軽油分析器の電源を確保すると同時に、作業中にアイドリングでの騒音や排出ガスを発生させないメリットが期待される。
横浜市は、「e-NV200」で電動工具を利用できるため、地下鉄駅舎やバス停での修理に活用する予定で、排出ガスや騒音の削減が効果的な夜間などの作業に向いていると想定する。
また、電動式冷蔵庫の車載が可能であるため、区役所の食品衛生業務で食中毒や食品抜き取りを検査する車両として、適温での検体の冷却、運搬に活用する考えである。
日産自動車株式会社 ニュースリリース
http://www.nissan-global.com/