バックアップ容量を自動運用する技術
株式会社NTTドコモは、2016年3月28日、通信事業者では国内で初めて、天気予報に基づくグリーン基地局の電力を制御する「天気予報連動型リチウムイオン電池制御」技術の実証実験に成功したと発表した。
グリーン基地局はソーラーパネルの太陽光発電で自立的に日中の電源を確保する携帯電話基地局である。
グリーン基地局では、蓄電池(リチウムイオン電池)を停電時の通信確保用(バックアップ容量)とソーラー発電による通常時の充放電用(サイクル容量)で運用し、バックアップ容量の比率を80%に固定することで、停電時の約24時間のバックアップ容量を確保している。
同社が確立した天気予報の情報を基に自動運用する技術は、バックアップ容量とサイクル容量の比率を固定せず、リチウムイオン電池へのバックアップ容量の比率を柔軟に変更するというもの。
「日照制御モード」と「自立・復活運転モード」
「天気予報連動型リチウムイオン電池制御」技術は「日照制御モード」と「自立・復活運転モード」で構成されている。
「日照制御モード」は、翌日のソーラー発電量の推計に応じて、午後6時時点でバックアップ容量の比率を40%~80%で自動運用し、サイクル容量の充放電の損失を最小化する。実証実験では商用電力を10%削減した。
「自立・復活運転モード」は、台風や大雨などの気象災害に備えてバックアップ容量の比率を100%まで引き上げ、停電時にソーラー発電と蓄電池で長時間の自立運転と、ソーラー発電単独での復活運転を行う。実証実験では停電時に2倍を超える約63時間の運転を実現した。
(画像はプレスリリースより)
株式会社NTTドコモ プレスリリース
https://www.nttdocomo.co.jp/