需要増となる保守点検員
株式会社日立製作所(以下、日立)は、風力発電システムの保守点検員を育成する訓練専用施設「日立風力保守トレーニングセンタ」を日立事業所埠頭工場内に開設すると2016年4月26日に発表した。
固定価格買取制度の導入後、風力発電システムの発電導入量は増加傾向にあり、2030年には1,000万kWを超えることが見込まれている。
また、改正電気事業法により2017年度から風力発電システムの定期検査が義務化されるため、2020年には保守点検員を約2,000人増員する必要があると予測される。
日立がこれまでに受注した風力発電システムは約250基を数え、国内屈指のレベルである。現在、118基が運転中で、同社ではこれらの稼働中の風力発電システムを用いた保守点検員の育成を行っている。すでに約200名が訓練と講義による教育を修了した。
実機訓練が可能に
7月に開設する「日立風力保守トレーニングセンタ」は訓練専用機として2MW風力発電システム機器を備えているため、模擬故障のシミュレーション、ナセル・ハブの狭隘スペースへのアクセス、部品交換などの訓練を実機で行えるようになる。
保守、点検に求められる高度な技術や広範な知識をトレーニングセンタ1カ所で習得でき、保守点検員の養成やスキルアップの効率化が期待できる。
今後は、教育カリキュラムの習熟度に応じた社内資格認定制度を設置すると共に、日立製以外の風力発電システムの保守を行える保守点検員の育成も考える。
株式会社日立製作所 ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2016/04/0426.html