配電損失電力を最小に
早稲田大学と東京電力パワーグリッド株式会社(以下、東京電力パワーグリッド)は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のチーム型研究として、配電網の損失電力を最小化する実証試験を2016年4月~2020年3月に実施する。
この実証試験は、電気を発電所から変電所を経由して工場、家庭に届ける配電網について、配電損失電力が最小となるように配電網構成の運用方法を検討するというもの。配電線に電気が流れると発生するジュール熱が電力損失になり、配電線が長い場合や流れる電気が大きい場合、損失電力は大きくなる。
実際の配電網を活用
共同実証試験で、早稲田大学は、電気の流れを入り切りする開閉器に加え、開閉器設置地点の電圧・電流の計測が可能なセンサ内蔵開閉器などを電柱に設置し、その配電網を用いて電気の流れ方を最適にする方法を検証する。
東京電力パワーグリッドは、配電損失電力を最小化する配電網構成を運用するため、電力の供給信頼度などが損なわれないことを考慮しながら、センサ内蔵開閉器からのデータを基に損失電力の削減効果を評価、検証していく。
実際の配電網を活用する実証試験は国内初の試みとなる。早稲田大学、JST、東京電力パワーグリッドは、この実証試験が、電気エネルギーを最大限に活用した配電網構成の最適化の実現につながることを期待している。
(画像はプレスリリースより)
早稲田大学・国立研究開発法人科学技術振興機構・東京電力パワーグリッド株式会社 プレスリリース
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