準天頂衛星システム
株式会社東芝は、準天頂衛星を利用した交通システムを開発し、EV(電気)バスに搭載して府中事業所内での運行を開始した。
(画像はプレスリリースより)
カーナビで一般的に利用される衛星測位は米国のGPSだが、位置を測定する精度は10メートル程度のため地図情報で補正している。情報が不十分な空港や事業所の敷地内での把握は難しく、また、ビルや山がGPS衛星からの受信の障害になることもある。
一方、準天頂衛星システムは日本の測位システムで、衛星が天頂方向にあるため遮蔽物に影響されず、測位精度も向上する見込みだ。加えて、精度がGPS以上となる測位補正情報の送信も予定している。
事業所のEVバスに採用
EVバスに搭載した新しい交通システムは、同社製のカスタムLSIを採用した受信モジュールで準天頂衛星の信号を受信している。バスの運行位置が正確にわかるので、事業所を訪れた見学者の移動状況を把握できる。
さらに、東芝製の二次電池「SCiB」をバスに使用した。これは長寿命、休息充電性能、低温動作、CO2の削減という特性をもつ。
バス内のモニター、来客用ロビーの大型マルチディスプレイ、受付のパソコンでEVバスの位置、電力使用状況、CO2削減状況を見ることができる。
今回の運用データをもとにして、2018年までには空港や事業所内で運行するEVバス向けシステムを実用化する方針だ。
株式会社東芝プレスリリース
http://www.toshiba.co.jp/sis/topics/2014/20140930.htm二次電池SCiB
http://www.scib.jp/