電力需要を削減
中部大学と清水建設株式会社は、同大学春日井キャンパス(愛知県)の全7学部、40施設のスマート化に着手した。
同大の電気使用量は学部や学科の新設で、2010年度には過去最高を記録した。電力需要を抑制し、東日本大震災後の電力不足に対応するため、両者は2012年に2学部10棟の節電、省エネを図る共同実証実験を実施し、電力使用量を約15%、ピーク電力を約25%削減した。
同大は2014年8月に環境省のグリーンプラン・パートナーシップ事業の補助金採択を受け、清水建設が企画立案したキャンパススマートグリッド化を開始した。
スマートグリッド化計画
キャンパスの敷地は約36万平方メートル(東京ドーム8 個分)、施設群の総面積は18万8千平方メートル。2016年度中に全施設をスマート化し、広域、多棟間のエネルギー利用を効率化する。電力を20%(1110kw)、CO2排出量を25%(年間3368t)削減する予定だ。
清水建設が開発したスマートBEMSにより、学部別に構築した計11のスマートグリッド(制御網)内とグリッド間の電力需給を制御する。スマートBEMSが継時予測を行い、電力需要の多い時間帯は発電、蓄電設備(太陽光発電230kw、コージェネ設備85kw、蓄電池234kwh)から電力を供給。
予測が目標値を超える場合は、指定した実験機器をマニュアル操作の節電運転にする。夏季は、需要が大きい実験機器の使用を学部、施設間で重複しないようにする。
また、BCP(事業継続計画)としては、震災などで電力、ガスが途絶したら、太陽光発電、蓄電池から電力を供給し、避難場所の照明、コンセントを使用可能にする。
工事費などの投資額は10億円に上るが、補助金と節電、省エネ効果で初期投資を8年~10年で回収する見込みだ。
清水建設株式会社プレスリリース
http://www.shimz.co.jp/