カネカ　世界最高水準の寿命をもつ有機EL照明デバイスの販売を開始

株式会社カネカは、有機EL照明デバイスとしては世界最高水準の寿命約5万時間を達成し、さらに色変化の少ない製品を開発した。

同社のこれまでの有機EL照明デバイスは、初期輝度3000cd(カンデラステラジアン)／平方メートルで推定寿命は約1万7000時間だった。一方、一般的なLED照明の推定寿命は約4万時間とされる。この寿命とは、全光束光源から全方向に放出される光の量が初期の約70％になるまでの時間を表す。

同社は有機EL照明デバイスの劣化のメカニズムを精査し、改善を図った結果、世界最高水準の寿命化に成功。初期輝度3000cd／平方メートルで寿命が約5万時間、さらに色変化の少ない製品を実現した。

白色を構成する数種類の波長の発光層(レッド、グリーン、ブルー)の劣化挙動に着目した同社は、デバイス構造(材料や積層構成など)や製膜条件(厚みなど)の最適化によって、発光層の劣化速度を改善した。同時に、点灯が長時間に及ぶ場合の色変化も従来品の40％以内にまで改善された。

顧客の元でサンプルの評価作業が進められ、量産供給体制も確立、9月から販売を開始している。

同社では、有機EL照明の活用の場として、美術館、博物館、商業店舗、ホテルおよび病室用照明、高級住宅のデザイン照明などを想定して、国内外の市場に販促を展開する方針だ。




株式会社カネカ
http://www.kaneka.co.jp/service/news/141010