冷却コストを削減
三井住友建設株式会社は、東洋インキSCホールディングス株式会社の危険物貯蔵施設に屋根散水システムを適用し、室温を10度以上下げる効果を実証した。
危険物製造所や取扱所には防災上の規制が多く、消防の定期的な査察もあり、施設を管理する側には細心の注意が求められる。しかも、施設内部の設備に防爆仕様が必須となるケースもある。溶剤の気化防止に室内を冷却する場合でもエアコンを防爆仕様にしなくてはならず、暑熱対策にかかるコストは過重だった。
同社は、施設を冷却する方法として「屋根散水」に着目した。建物内部を加工せずに防爆仕様に対応でき、屋根の遮熱や断熱より冷却効果が大きい。屋根散水システムを実際に適用して、その冷却効果への評価を得ている。
屋根散水システム
屋根散水システムは散水の蒸発冷却効果で屋根の温度を下げ、屋根からの熱負荷や放射熱がなくなった分、少ないエネルギーで室内の熱環境を改善できる仕組み。
新しく開発したシステムは、間欠的な散水および天候や温度による制御により、散水の水使用量を削減する制御システムとなっている。
これまで案件ごとに設計、製作してきた制御盤をパッケージ化したことで工事費を抑え、工期も短縮した。さらに、内蔵した太陽光パネルから制御盤や散水を発停する電磁弁に電力が供給できる。
また、新システムには順次散水システムが導入できるため、今後、屋根面に一定間隔で配置した散水ノズルで一列ごとに散水して、一回あたりの散水量が節水可能になる見込みだ。
(画像はプレスリリースより)
三井住友建設株式会社プレスリリース
http://www.smcon.co.jp/2014/11179928/