高精度の検出は難しかった
三井化学株式会社とテンソル・コンサルティング株式会社は、メガソーラー発電所の発電量の低下を高性能で検出するデータ診断技術を開発した。
メガソーラー発電所では太陽光パネルの劣化などにより発電量が低下することは、売電収入の低下につながる。日照量から期待発電量を算出し、実際の発電量と比較する手法が行われているが、発電量の低下には気象状況や周辺状況など多様な要因がある。
また、発電量は太陽光パネル2000~3000枚を連ねたパワーコンディショナーでモニタリングしているため、太陽光パネルが原因となる発電量低下を精度よく検出することは困難だった。
データマイニング技術を用いた診断
今回、2社は、三井化学の「太陽光パネルの劣化、故障に関するデータおよび知見の蓄積」と、テンソルの「高度なデータマイニング技術」を組み合わせた共同開発に取り組んだ。
発電量を診断するために、日照量、システムの構成、パネルの汚れ、気象状況など、影響を及ぼす全要因を自動的に取り込んだ期待発電量を算出する方法だ。
つまり、データマイニング技術で統計数理モデルを構築し、日々蓄積される発電量というビッグデータからわずかな出力の異常を検出するもの。従来の手法より80倍以上の性能をもつ技術だ。
今回の成果は、「第6回太陽光発電世界会議(2014年11月23日~27日、国立京都国際会館)」で共同発表する予定。
この技術は太陽光パネルのメーカーなど諸条件に関係なく実施できるため、国内外のメガソーラー発電所に発電量データ診断サービスとして提供が可能。まずは、三井化学の「太陽光発電に関する診断・コンサルティング事業」で、2015年度中の実用化を目指していく。
(画像はプレスリリースより)
三井化学株式会社プレスリリース
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