不揮発性メモリを活用
ローム株式会社と神戸大学大学院の吉本研究室は、次世代のウェアラブル生体センサに活用できる、消費電力が世界最小の技術を共同開発した。
スマートフォンやウェアラブル機器などに求められるのは、電力使用量が極小で長時間動作すること。身につけるウェアラブルの場合、装着していることも意識させない小さいバッテリーは理想的となる。
その究極の省エネを実現するため、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、「不揮発性メモリ」を活用したプロジェクトを2011年から開始、企業、大学が開発にしのぎを削っている。
ウェアラブル生体センサに応用
ローム社らは、電源が遮断されてもデータが失われない不揮発性デバイスを活用して、処理がない時間は電源をオフにして待機電力を抑制し、必要になると電源をオンにする技術(ノーマリーオフ化)を確立した。
すでに、この技術を活用した電池不要のウェアラブル生体センサの開発を進めている。体表面のわずかな電位差から心拍数や他のデジタル出力センサを取得、演算、記録でき、搭載した通信機能でスマートフォンからのセンサの制御、データの入出力を行える。
ノーマリーオフ技術により、心拍取得部の電力を従来の1/20、メモリ部の平均電力を1/10以下、ロジック部の消費電力を半分以下に削減したことで、世界最小の消費電力を実現している。
他の応用例として、橋梁など構造物の監視センサ、農業用センサ、エナジーハーベスト電源対応LSI、パラメータ調整などの不揮発性機能付きローパワーLSIなど、アプリケーションへの展開が考えられる。
(画像はプレスリリースより)
ローム株式会社プレスリリース
http://www.rohm.co.jp/