実証実験を開始
ダイキン工業株式会社は、上水道施設の水流エネルギーを利用して発電する管水路用マイクロ水力発電システムを開発した。
河川、農業用水、砂防ダム、上下水道などを活用した小水力発電はその安定性、効率性で注目されているが、100キロワット以下のマイクロ水力発電の場合、発電規模よりシステムのコストが高く、サイズの問題で導入できる場所は限定的だった。
同社は水車と発電機をパッケージ化、小型で低コストの縦型管水路用マイクロ水力発電システムを開発した。従来(横型)の半分の面積、コストも大幅に削減でき、発電電力は最大22キロワット、年間最大発電量は135メガワット時(一般家庭38軒分)の見込み。
導入先は、電力消費量の多い上水道施設、水を多く消費する工場内の施設を想定している。
実証実験を富山県南砺(なんと)市の広域水道事業所で2014年11月から2015年4月まで行う予定。最大有効落差、最大流量から試算した見込み分に対する実際の発電能力を検証する。
管水路用マイクロ水力発電システム
今回開発したマイクロ水力発電システムには次の特徴がある。
1
小型軽量設計従来のシステムは発電機とコントローラーが必要だが、同システムは発電機とコントローラーを一体化。配管に接続した水車上に配置して設置面積は半分のみ。小型、軽量化で水道施設の狭小箇所に設置でき、設置コストも抑制。
2
高い発電能力水車には流体解析技術、発電機とコントローラーにはモーター技術とインバーター技術を応用して高い発電能力を実現。
3
低コスト水車に量産部品の汎用ポンプを活用し、コントローラーと発電機の一体小型化、部品数削減で大幅にコストを削減。発電機、水車は磨耗部品の交換のみでメンテナンス性も向上。空調の電力みえる化やインターネットによる遠隔操作、監視技術を活用すれば、システムの維持管理はさらに抑制可能。
(画像はプレスリリースより)
ダイキン工業株式会社プレスリリース
http://www.daikin.co.jp/