地域レベルで電力ピークカット
三井不動産株式会社が街づくりを進める「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)に日本ガイシ株式会社の電力貯蔵用「NAS電池システム」を設置し、太陽光発電や蓄電池などの分散電源エネルギーを街区間で相互融通する日本初の取り組みを行う。
商業施設の「ららぽーと柏の葉」にNAS電池を設置した結果、ホテルやオフィスなどが集まった施設の「ゲートスクエア」側から「ららぽーと」へと供給されるだけだった電力が、互いの電力需要の集中に合わせて、平日は「ゲートスクエア」側に、休日は「ららぽーと」にと相互供給が実現した。
柏の葉スマートシティ全体で約26%の電力ピークカット、両施設の電気料金削減は合計で年間約1000万円を見込む。
さらに、災害などで系統電力が停電した時、柏の葉スマートシティに分散設置した発電、蓄電設備から特定供給を行うことで、街の防災力を強化している。
NAS電池システム
NAS電池はメガワット級の電力貯蔵システムで、日本ガイシが世界で初めて実用化した。負極のナトリウムと正極の硫黄が充放電を繰り返す蓄電池で、電解質はファインセラミックスを採用している。
サイズは鉛蓄電池の約1/3で寿命は約15年間、大容量の電力を供給する。国内外約190カ所で45万キロワット(容量315万キロワット時)以上の導入実績をもつ。今回、設置されたNAS電池システムは定格入力、出力とも1800キロワット、定格容量は7.2時間放電、12960キロワット時。
電力負荷の平準化で平常時のピーク時には節電し、災害、緊急時には非常用電源として長時間にわたり供給する。また、再生可能エネルギーの不安定な出力変動を緩和、安定化するため、環境負荷を低減する。
(画像はプレスリリースより)
三井不動産株式会社 日本ガイシ株式会社 (プレスリリース)
http://www.ngk.co.jp/news/2015/20150115.html