計画段階環境配慮書
環境省は、エコ・パワー株式会社が大分市と臼杵市にまたがる最大で総出力45,000kWの風力発電所(2,000~3,000kW級の発電設備、約15基)を設置する計画についての環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
同社が今回の事業で想定した尾根部の区域(約778ヘクタール)は周辺にクマタカが営巣している可能性があり、また、一部の尾根筋には既存道路がなく、道路を新設する必要が想定される。
出力10,000kW以上の風力発電所の工事が環境影響評価法及び電気事業法の対象事業であるため、環境大臣は同社が提出した計画段階環境配慮書(環境に対する影響の回避、低減を評価した文書)に意見を述べることができる。
この大臣意見を受けて、同社は事業計画を決め、事業段階の環境影響評価を行うことになる。
環境大臣意見
環境大臣は同社に以下の対応を求めている。
区域周辺の住環境が工事中、供用時の騒音や風車の影で影響を受けることがないように、風力発電設備を住居から離して設置する。
既存道路は拡張する面積を抑え、道路の新設はできるだけ最小化するなどで発生する土量を抑え、残土は場外処分地に運び出すことが望ましい。
森林の伐採や地形の改変を避けるため、既存道路や無立木地などを利用する。改変した場合には、早い段階で在来種による緑化を行う。
猛禽類の生息、渡り鳥の飛来が確認されているため、鳥類の調査、予測を実施し、専門家の助言に基づいて環境影響を評価する。衝突事故なども含め、鳥類に重大な影響を及ぼすことを回避する。
現存している貴重な植物群落に対しても同様の対応が必要。水生生物については、沢筋などからある程度の距離をとり、土砂や濁水の流入による影響を抑制する。
環境省プレスリリース
http://www.env.go.jp/press/100360.html