改造工事
日本郵船株式会社と株式会社MTIは、省エネ運航を推進するために船型を改良したコンテナ船で23%のCO2削減効果を実現した。
船舶業界では、コンテナ船を建造時に設定された航行速度より低速域で航行させる省エネ運航が普及している。
同社グループは、就航船を低速運航仕様に改良し、性能の改善を図ることで環境負荷を削減する研究を2013年夏に開始した。改良工事は2014年6月に実施した。主な改造は次の二点。
一つは、船の喫水線下の船首部分にあるバルブ状の突起物で、波を起こして抵抗を和らげる働きをもつバルバスバウを、船型や運航条件に合わせてその形を改造したこと。
もう一つは、水面下の船体のプロペラ前方に複数の翼を取り付けることで、プロペラの旋回流で生じた損失エネルギーを回収できる船体付加物MT-FASTを設置したこと。
日本海事協会が鑑定
改良後に実航海で検証してデータを解析した結果、CO2削減効果が立証された。また、エンジンの運転状態などコンテナ船のコンディションに支障がなく、安全運航が保持されることが、一般財団法人日本海事協会によって鑑定された。
今後、同社グループはコンテナ運航船にも改造工事を実施して省エネ運航を進めていく方針だ。
運航条件に合わせて短期間で効率的に行えるこの改造工事の手法は、日本海事協会の「業界要望による共同研究」に採択されるなど、海事業界からも期待を受けている。
(画像はプレスリリースより)
日本郵船株式会社プレスリリース
http://www.nyk.com/release/3560/003808.html