鉱物油から植物油へ
岩手県企業局は再生可能エネルギーの水力、風力、太陽光を活用した発電事業を展開しているが、近年は、発電施設内の変圧器でも、環境に配慮した植物由来のナタネ油の使用を広げている。
通常は、発電所用変圧器の絶縁油には石油由来の鉱物油が用いられる。一方、同県は変圧器を更新するに当たり、植物油を採用した環境調和型を導入した。
始まりは岩洞第一発電所の変圧器で、発電所用としては国内初の実施例となった。1号変圧器は平成22年11月に、2号変圧器は平成24年12月に運転を開始した。
そして、平成27年1月27日、四十四田発電所でも環境調和型の変圧器が運転を始めたところだ。
環境調和型変圧器
環境調和型変圧器を使用するメリットには次の3点が考えられる。
1 環境性を向上
変圧器を処分する時、焼却廃油は二酸化炭素が発生するが、ナタネ油の場合、アブラナが生育の過程で二酸化炭素を吸収するため、カーボンニュートラル効果で相殺される。
2 土壌汚染を防止
災害などが起きた時、ナタネ油は外に漏れ出たとしても自然に分解されて、土壌を汚染しないで済む。
3 安全性の向上
災害時、絶縁油が引火して火災の発生する可能性があるが、ナタネ油は鉱物油より引火点や燃焼点が高く、その危険性は低くなる。
(画像はプレスリリースより)
岩手県プレスリリース
http://www.pref.iwate.jp/