農作物にサルの被害
山口県田布施町の波野木地(はのきじ)集落では、農業用水路として導入した小水力発電を獣害対策にも活用することになった。
平成23年、木地集落は国営による農地整備に取り組み、新たな農道や水路の敷設を開始した。その2年後には農業法人が設立され、大豆や麦の作付けが始まった。ところが、最近、栽培する農作物がサルの被害が頻発し、対応を求められる事態となっていた。
「木地を守る会」は、小水力発電が気象条件に関係なく発電できる点に着目して、サルの侵入を防ぐ電気棚に利用することを発想した。小水力発電を獣害対策に導入する事例は県内で初めてとなる。
電気柵用の小水力発電を導入
今回、設置した小水力発電は出力が4.8W。これを2カ所に設置し、2.270メートルの長さの電気柵(2段で4,540メートル)に供給する。設置事業には総額60万円(1台あたりで小水力発電10万円、制御盤など10万円、設置調整費10万円)の費用をかけた。
「木地を守る会」の構成員は33名、電気柵で防御される農地は3.2ヘクタールとなる。
同集落は、今後、集落内の照明用として小水力発電を増設する考えだ。また、同県の宇部市でも同様の設備を導入する計画を立てている。
(画像はプレスリリースより)
山口県プレスリリース
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/