水素の生成を検証
株式会社東芝は、水素社会の実現に向けた取り組みを強化するため、2015年4月6日、水素エネルギー研究開発センターを府中事業所内に開所した。
同センターは2014年12月に着工し、2015年4月に竣工した。太陽光発電システム、水電解装置、水素タンク、エネルギー制御システム、燃料電池水素機などの設備を備えている。
現在、開発中の水と電気から高効率で水素を生成する固体酸化物形電解装置をセンターに設置し、太陽光発電システムや燃料電池と融合するなど、実用化に向けた検証を実施する予定だ。また、同社が開発した水素関連技術を展示スペースで公開して、顧客のニーズに対応していく。
水素関連事業を拡大
同社が水素事業を推進するのは、太陽光や風力などの不安定な自然エネルギーでも水素に変換すれば、大容量を長期間、貯蔵する、あるいは輸送することが可能で、通常時、災害時とも安定的でCO2を排出しないクリーンな電力の活用が期待できるからだ。
燃料電池も含めた水素関連機器やインフラ産業などの水素関連市場は2030年には40兆円まで成長が見込まれる。同社グループはこれまで蓄積した水素関連技術をもとに、水素の製造から活用まで、さまざまな水素ソリューションを展開する考えで、2020年度の売上高の目標額を1,000億円とした。
今後、発電コストの高い離島や遠隔地の地域を対象に、再生可能エネルギーを水素に変換して電力源にする「地産地消型」エネルギー供給システムを構築する予定だ。
また、海外に設置した大規模風力発電などから水素を安価に生成、輸送して、水素ガスタービン発電所で発電、供給する水素サプライチェーンを2025年までに構築する計画もある。
(画像はプレスリリースより)
株式会社東芝プレスリリース
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