周波数調整電力市場
株式会社東芝は、米国のオハイオ州ハミルトン郡で電力需給調整事業向けに大型蓄電池システムを受注した。
住友商事株式会社と米州住友商事会社、再生可能エネルギーデベロッパーのRenewable Energy Systems Americas社が2015年12月に運用開始する事業において、東芝は、最大出力6メガワットの蓄電池システムを11月に納入する。
出力が大きく変動する風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及が進んでいる米国では、系統の不安定さを防ぐ対策として周波数調整電力市場が広がっている。再生可能エネルギーの出力変動や発電所の運転計画、需要予測の変更が生じたとき、数秒から数分で予備用電力を調達する市場だ。
東芝が蓄電池システムに搭載したリチウムイオン二次電池SCiBは、充放電約1万回以上の長寿命、優れた安全性と低温動作性をもつ。急な変動への迅速な対応、頻発する微調整に応える持久力が評価されて、今回の採用に至った。
蓄電池システムの納入実績
東芝にとって蓄電池システムの納入事例は、国内外合わせて9カ所めとなる。海外での実績では、イタリアのテルナ・ストレージ社への蓄電池システム、英国シェフィールド大学への系統周波数調整実証試験向け蓄電池の納入がある。
また、スペイン、ガス・ナチュラル・フェノーサ社の可搬型蓄電池システム実証試験プロジェクト、米国、デューク・エナジー社の蓄電池システムのパイロットプロジェクトにそれぞれ参画している。
国内では、東北電力株式会社の「西仙台変電所周波数変動対策蓄電池システム実証事業」に世界最大出力の40メガワット、容量20メガワットアワーの蓄電池システムを納入し、2015年2月から営業運転が始まった。これは、気象条件で変動する再生可能エネルギーへの周波数変動対策として取り組んだものだ。
(画像はプレスリリースより)
株式会社東芝 プレスリリース
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