ガスエンジンコージェネシステム
東京ガス株式会社、三菱重工業株式会社、三浦工業株式会社、株式会社神戸製鋼所は、ガスエンジンの廃熱を温水から蒸気に高効率に変換して利用するコージェネレーションシステムを開発した。
ガスエンジンで発電機を駆動して発電するガスエンジンコージェネレーション(以下、ガスエンジンコージェネ)は、ガスエンジンの排気ガスや冷却水の廃熱も蒸気や温水として利用できるシステムだ。
オフィスビルやホテルに導入され、工場の生産工程では蒸気を加熱や殺菌に使用している。一方、用途が限定的な温水は使い切るのが難しく、利用率は高くない。
3社の製品を活用
廃熱を効率よく蒸気に変換、利用するシステムの開発に当たり、3社の以下の製品を組み合わせた。
「高温化仕様ガスエンジン」(三菱重工業製)は、東京ガスと共同で冷却水温度の設定を90度から120度に変更、廃熱からより多くの蒸気が回収可能になった。
「廃温水熱利用蒸気発生装置」(三浦工業製)は使用しきれない廃温水を高効率に低圧蒸気に変換する装置で三浦工業と東京ガスが共同で開発した。今回、ガスエンジンと蒸気の負荷変動に応じて稼働する比例制御、複数の装置が制御できる台数制御などの機能を加えた。
「スクリュ式小型蒸気圧縮機」(神戸製鋼所製)は変換された低圧蒸気を昇圧で再利用可能にする装置。東京ガスと共同で、他の機器と連動できるプログラムに変更し、多様な水質に対応した仕様に改良した。
新システムが蒸気を回収する効率は28.4%。排ガスボイラのみの18.4%から格段に向上し、電力と蒸気による総合効率では約71%に達した。
蒸気の使用量が減少したらガスエンジンコージェネのみの稼働に切り替えるなど、ユーザーの使用状況に合わせて設定が変更できる。新システムは2015年7月から発売される。
(画像はプレスリリースより)
東京ガス株式会社、三菱重工業株式会社、三浦工業株式会社、株式会社神戸製鋼所 プレスリリース
http://www.mhi.co.jp/news/story/150521.html