圧力による発電技術
株式会社リコーは、柔軟性と高出力の両方の利点をもつ新しい柔軟材料「発電ゴム」を開発した。
この技術は圧力や振動で高い発電性能を発揮するというもので、環境発電(エネルギーハーベスティング)として注目されている。他に、光や温度差、電波などがあり、身近なエネルギーから発電を行う。
用途が広がる発電ゴム
代表的な圧電材料にはセラミックスや高分子樹脂がある。セラミックスは取り出せる電力が多い反面、壊れやすさや重さがネックとなり限定的な活用にとどまっている。PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などの高分子樹脂は、薄くすると柔軟性をもつが出力できる電力は微量だ。
フレキシブルなシート状の「発電ゴム」は、高分子樹脂より柔軟性が高く、発電性能はセラミックス圧電材料と同等、負荷試験の結果から耐久性の高さも実証された。
セラミックスは機器設備の圧力、振動センサーなど、電子部品に応用されている。「発電ゴム」は高温加工が不要のため生産性が高く、柔軟ゆえに加工性にも優れる。設置場所を選ばず、大面積で利用できるなど、広範囲にわたる用途が期待される。
また、「発電ゴム」は従来の圧電材料と発電機構が異なり、現在、東京理科大学と共同で分子レベルでの発電機構の解析に取り組んでいる。材料の可能性を広げて、さらなる応用展開につなげる考えだ。
株式会社リコー プレスリリース
http://jp.ricoh.com/release/2015/0518_1.html