ハノイ市に技術協力
福岡県が技術協力を行い、ベトナム・ハノイ市で建設中であった「福岡方式(準好気性埋立方式)」の廃棄物処分場が竣工し、平成27年6月8日、ハノイ市で竣工式が行われる。
平成25年8月に同県とハノイ市が締結した「福岡方式による廃棄物処分場の整備に関する覚書」に基づき、「スァンソン廃棄物処分場」建設は平成26年6月に着工した。
この事業はJICA(国際協力機構)「草の根技術協力事業」を活用したもので、同県が海外で「福岡方式」処分場の建設に協力した初めての事例となる。
福岡方式で環境改善を
福岡方式は福島大学の現名誉教授の花嶋正孝氏が発明した埋め立て技術だ。埋め立て地内部に通した管から外気を取り込むことで、バクテリアが廃棄物を好気的に分解し、有害ガス(硫化水素ガスやメタンガスなど)の発生を抑制し、安定化にかかる時間も短縮される。
1975年に建設した福岡市の処分場でその効果が実証されて以来、国内では一般的な手法として採用されている。2008年に環境大臣賞を受賞した。
今回の施工に際して、花嶋正孝氏などが現地で技術指導を行い、日本でもハノイ市の技術者などに対して研修を実施している。竣工後は、ごみの搬入や維持管理の方法を指導し、稼働に臨む。
同県は「福岡方式」がハノイ市の他の処分場にも広がり、同市の環境改善に貢献できることを期待している。さらに、公害問題と向き合う中で蓄積してきた技術を、アジアをはじめとする海外に伝えていく考えだ。
(画像はプレスリリースより)
福岡県 プレスリリース
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/