らせん水車を設置
日本工営株式会社は、らせん水車を取り入れた小鷹水力発電所を竣工し、実証試験を開始した。
同社は低落差地点にらせん水車を導入できるかを検討してきたが、今回、鹿児島県薩摩川内市にある小鷹井堰地点の取水堰に、国内初となる30キロワットのらせん水車を設置した。これは同社が2012年から薩摩川内市と共同で取り組んできた事業だ。
低落差地点に水力発電を導入するには使用可能な水車が少ないこと、建設コストが割高なことがネックだった。同地点に適用でき、簡易な構造のらせん水車であれば、設置時のコストや維持管理の手間を抑制すると考えられたが、10キロワット以上のらせん水車に導入事例がなく、実際の効率性や採算性は不明だった。
小鷹水力発電所の運転を開始
同社と同市はらせん水車がもつ課題を明らかにし、対策を講じていった結果、このたびの小鷹水力発電所の竣工、運転開始に至った。
同発電所は流域面積が27平方キロメートル、総落差3メートルの流込式水路式だ。使用する水量は1.5立方メートル毎秒、出力は30キロワット、発電量は年間114メガワット時になる。
今後、実証試験において、水車発電機の効率化や低コスト化を図り、流下へのゴミの影響や魚類への影響、騒音対策などの問題を検討する。
同社は、実証事業での成果を生かして、らせん水車が農業用水路や砂防堰堤などの低落差地点に普及することを期待している。
(画像はプレスリリースより)
日本工営株式会社 プレスリリース
http://www.n-koei.co.jp/news/pdf/150609.pdf