非常時に携帯機器に充電
古河電池株式会社と凸版印刷株式会社が開発した非常用マグネシウム空気電池「MgBOX」は、公益社団法人日本包装技術協会が主催する「第39回木下賞 新規創出部門」を受賞した。
福島県いわき市に工場をもつ古河電池は、東日本大震災で被災した経験から、非常時に携帯電話の電池切れで情報が遮断される事態に対応するため、凸版印刷と共同で非常用電池の開発に取り組んだ。その結果、水を入れるだけで多数の携帯機器に電力を供給できるマグネシウム空気電池を開発した。
紙製容器で廃棄に便利
開発に際して、塩水に溶けやすく発電効率の高いマグネシウムを、難燃性に加工して負極物質に用いた。正極には空気中の酸素を用い、その酸素を活性化させる触媒にはレアメタルに代えた酸素還元触媒でコストを削減している。
このマグネシウム空気電池は水や海水を入れるだけで発電し、スマートフォンに30回の充電ができる大容量で、長期保存が可能。さらに、紙製容器の採用で使用後の廃棄を容易にし、発電時にCO2を発生しない、など環境に配慮した製品だ。
2015年に39回目を数える「木下賞」は包装技術の顕著な業績に与えられる賞。今回の受賞は、液体紙製容器の包装技術で新たな製品を開発したことが評価された。
(画像はプレスリリースより)
古河電池株式会社、凸版印刷株式会社 プレスリリース
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