高度な光学設計で
シャープ株式会社は、オフィスの窓に設置すると照明用電力が削減できる「採光フィルム」を開発した。
オフィスでは、季節や天候、時間帯で外光がまぶしくなると、カーテンやブラインドを活用して遮光を行っている。しかし、室内が暗くなるため昼間から照明をつけることになり、結果として、照明用電力でコストがかさむという課題があった。
同社は液晶ディスプレイで展開してきた光学制御技術に太陽の年周運動や日周運動を反映させて、高度な光学設計による「採光フィルム」を開発した。
入射光と出射光
微細加工を表面に施されたフィルムが片側でさまざまな角度の入射光を受けると、その反対側で一定の角度の出射光を出せるようになる。
窓の上部、ブラインドの上にこのフィルムを設置すれば、季節、時間帯で太陽光の入射角度がどのように変化しても、天井方向に効率的に取り込める。つまり、眼に直射するまぶしい光を抑える一方、室内は出射光で明るさが保たれた状態になる。
千葉県柏市の研究所で2014年9月~2015年5月までの8.5カ月間、採光フィルムを検証したところ、高い採光効果により照明用電力を約4割削減できた。ただし、設置する条件で削減する効果は変わる。
また、2015年6月2日に竣工したヒューリック株式会社のヒューリック虎ノ門ビルに、この採光フィルムをサッシに納めた「自然採光システム」を設置した。
(画像はプレスリリースより)
シャープ株式会社 プレスリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150602-b.html