設置工法で特許
サノヤス造船株式会社は、平成27年8月25日、浮体式洋上風力発電設備をはじめとするタワー型水上構造物とその設置工法に関する特許を取得したことを発表した。
同社は、再生可能エネルギー業界の市場拡大とともに洋上風力発電への注目が高まってきたことを受け、同社の特許技術が洋上風力発電の設置に貢献すると期待している。なお、このたびの特許は平成26年1月に出願し、平成27年4月に認定されている。
タワー型設置の課題を解決
タワー型水上構造物は、設置水域や構造物を曳航する水域に十分な水深があり、橋などの障害物がないことが条件とされる。浮体式洋上風力発電設備などのように、百メートル以上のタワーでは喫水は数十メートルになる。
タワー型水上構造物の設置に加え、風車ブレードや風車ブレードの回転を電気に変換するナセルを取り付ける場合、海面上の高さはさらに高くなり、取り付け作業には大型クレーン船で支えるなど支援が必要という課題があった。
同社は、タワー内部に水や流動性のある粒上固体のバラストをバラストタンクに複数個配置することでタワーを横倒しで曳航し、その後にバラストタンク間のバラストを移動させてタワーが直立する技術を開発した。これで水深の浅い場所や橋の下でも通過できる。
また、風車ブレードやナセルを搭載して曳航し、設置水域で同様にバラストの移動で直立状態にすれば、大型クレーン船などで支援する必要はなくなる。同社はタワー型構造物の設置上の課題を克服したこの技術で特許を取得した。
(画像はプレスリリースより)
サノヤス造船株式会社 プレスリリース
http://www.sanoyas.co.jp/