高効率の送電システム
石狩超電導・直流送電システム技術研究組合は、2015年9月24日、経済産業省の委託事業「高温超電導技術を用いた高効率送電システムの実証事業」の一環で、太陽光発電所から超電導直流送電を開始したと発表した。
超電導送電とは、その効率性の高さで次世代送電技術として注目されているもので、極低温で電気抵抗がゼロになる超電導体を活用して送電する技術である。送電ロスの低減により低コスト化を実現する上に、送電容量が増大できる。
実用化に向けて
千代田化工建設株式会社、住友電気工業株式会社、学校法人中部大学、さくらインターネット株式会社は、2014年1月に、超電導直流送電と関連する技術について共同で試験研究に取り組む目的で、非営利共益法人の石狩超電導・直流送電システム技術研究組合を設立した。
実証事業では、石狩湾新港地域に設けた高温超電導直流送電システムで、さくらインターネットが建設した出力200キロワットの太陽光発電所から石狩データセンターへと送電する中で、システムの通電安定性を検証する。送電の実証は世界で初めての試みとなる。
なお、電力は交流電力に変換せずに直流のまま送電される。また、データセンター内でも直流で作動するサーバに給電されるため、交流・直流を変換するロスがない。加えて、超電導の場合、送電路のロスも削減でき、送電のさらなる高効率化を図れる可能性がある。
(画像はプレスリリースより)
石狩超電導・直流送電システム技術研究組合・千代田化工建設株式会社・住友電気工業株式会社・学校法人中部大学・さくらインターネット株式会社 プレスリリース
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