実証試験を開始
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、株式会社竹中工務店がNEDOプロジェクトを活用し、株式会社アイケイエスと共同でエネルギー制御システム、MSEG(multi-source energy gateway)を開発し、オフィスビルでの実証試験を開始したと2015年9月25日に発表した。
NEDOは、省エネルギーに貢献する主要な14の技術に取り組む、中小・ベンチャー企業や大手企業、大学、研究機関に対し、NEDOプロジェクト「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」を通じて開発から事業化までを支援している。
複数電源を一括制御
MSEGは、ビルに採用された太陽光発電、発電機、電気自動車(EV)充放電システムなどの複数の電源が作る電力を直流で一括制御して、時々刻々と変わるビルの電力消費に対応してリアルタイムな充放電を実現した技術である。
ビルで分散型電源を活用する場合、独立したシステムを直流から交流に個別に変換することで低効率化する上に、停電などの非常時には個々のパワーコンディショナ―を介するため交流の同期をとれず電源として活用できないという課題があった。
両社は、パワーコンディショナ―機能とバッテリー機能が一体化した制御システムを開発した。このSiCパワー・モジュール搭載型コンポーネントは、従来のSi型パワーデバイス搭載型より電力ロスを約40%削減する。さらに、MSEGには、電力デマンドを最適に調整するリアルタイム制御システムが備えられている。
MSEGは東京都江東区のTAK新砂ビルに初導入され、実証試験を行っている。今後は、エネルギーマネジメントと緊急停電時の事業継続・早期復旧の両立が必要とされる、オフィスビルや集合住宅、学校、大型ショッピングセンター、駅ビルに訴求していく方針である。
(画像はプレスリリースより)
NEDO プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100457.html