「あいの風」が吹く環境
YKK AP株式会社は、富山湾からの風を活用した黒部荻生製造所独自の省エネの取り組みについて、2015年10月22日に公開した。
黒部川扇状地に設置された同製造所では、生産工場の快適性を維持するため、これまで、窓を閉めた状態で空調設備を運転する一般的な方法を実施していた。
日本海沿岸には春から夏に沖から「あいの風」と呼ばれる季節風が吹く。同地でも富山湾から適度な風が送られてくることから、夏場の省エネにこの風を利用する発想が生まれた。同製造所は通風シミュレーションにより風の有効性を実証した。
“見える化”システム
黒部荻生製造所は、エネルギー消費量と職場環境の快適性を”見える化“する独自のシステムを工場に導入した。風向・風速・温度・湿度と、その数値を元にした快適性と消費電力レベルがシステムのモニターにリアルタイムで表示される。
システムを導入する生産工場では、夜間・午前に窓を開放し、工場内に風の流れを作るという運用方法を採用した。窓の開閉や空調設備の稼働のタイミングを“見える化”システムが適切に判断するため、空調設備の運転時間を削減できる。
システムの導入は2013年6月の1棟から2014年度末には4棟まで拡大し、2015年度に本格的に運用開始した。その結果、夏期(6月~8月)の空調エネルギーは17%削減された。
同社では、同システムを活用した「待機電力の抑制」「エアーもれの削減」「生産設備の稼働に応じたコンプレッサーや照明の適正運用」を行い、全国の現場でも推進する方針である。
(画像はプレスリリースより)
YKK AP株式会社 プレスリリース
http://www.ykkap.co.jp/