JOGMEC　地熱井掘削技術の開発に着手

JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は、平成27年11月4日、地熱井の掘削技術を開発し、掘削のコスト削減を図ると発表した。

技術の開発は、三菱マテリアル株式会社、株式会社クリステンセン・マイカイ、国立研究開発法人産業技術総合研究所に委託して、平成27年度から平成29年度までの3年間に実施する。JOGMECは、地熱井の掘削が安価に行え、地熱開発が促進されることを期待している。

地熱発電所を建設するには、30,000キロワットの規模の場合、250億円以上の資金が必要になる。地下の調査や探査にかかる費用は70億円、多くを占めるのが坑井掘削のコストである。

掘削作業のコスト削減に貢献するとされる技術が、作業を短期間に仕上げるPDC(多結晶ダイヤモンド焼結体、Polycrystalline Diamond Compact)ビットだ。

石油開発分野で実用化された技術で、従来のローラーコーンビットより耐久性・掘進速度に優れている。ただし、石油開発用であるため、地熱井の掘削に合わない事例もある。

今後、地熱井掘削に適した汎用性のあるPDCビットを開発するため、室内実験・フィールド実験を実施していく。この技術が完成すると、深度2,000メートルの地熱井に要する約100日間の作業期間が6～20日間短縮され、約5億円の掘削コストの内、2,000～6,000万円の削減が見込まれる。




JOGMEC プレスリリース
http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_06_000065.html