独自の微細成型加工技術
株式会社クラレは、2015年11月17日、光の向きをコントロールし、必要な方向を集中して明るくする日本初の異方出射導光板を開発したと発表した。
異方出射導光板は反射光と屈折光により効率的に光を取り出すことで、従来の導光板では85%程度だった光取り出し効率を93%まで達成した。
導光板にはミクロン単位の微細なパターンが成形されているが、これは同社製の透明度の高いメタクリル樹脂シートに、独自のマスタリング(原盤製作)技術を施したものである。
病院の照明に採用
この導光板を使ったLED照明約900台が、2015年12月1日にオープンする愛媛県の西条中央病院の新病棟に採用された。
導光板の厚さはわずか3mmで、電源内蔵型のLED照明に使用した結果、照明の薄さは20mmと業界トップクラスのレベルになった。電源別置きに用いた場合、照明は8.5mmまで薄くなる。
また、光の出射方向を高度に制御し、輝度最大値角度は最大45度まで対応可能なため、特定の場所を集中的に明るくできる。
今回の採用事例では、壁際に沿って通路中央を照らすライン照明や、やさしい明るさを生かした病室のベッド照明などに用いられた。
同社では、病院の他に、効率的なスペース活用やデザイン性の高さを求めるホテル、美術館・博物館、店舗、飲食店などでの設置を想定している。
(画像はプレスリリースより)
株式会社クラレ プレスリリース
http://www.kuraray.co.jp/release/2015/151117.html