高低差活かし1万5,000キロワット発電
5月2日、富山県黒部市の宇奈月温泉で「宇奈月谷小水力発電所」が完成し、起動式が行われた。愛称は「でんきウォー太郎1号」。
宇奈月谷川を水源とする防火用水を用い、防火水槽からの約10メートルの高低差を活かして発電する。防火水槽からは毎秒40リットルの水が流れ出し、常時2.2キロワットの電力を作り出す。
発電量は年間1万5,000キロワットを見込んでいる。一般家庭の使用量で約4件分に相当する電力だ。
電力は電気バスに供給
発電された電気は土日祝日に温泉街を走り、旅館への送迎や観光用に無料で提供されている電気バス「エミュー」の運行に利用される。電気バスの他にもLED照明等に電力を供給するという。
宇奈月温泉では2009年から「でんき宇奈月プロジェクト」として、小水力発電などの自然エネルギーの公共交通システム形成に向け、エネルギーの地産地消を目指して活動してきた。
宇奈月温泉に似た山岳地であるスイスのリゾート地「ツェルマット」をモデルに立ち上げられ、電気バスの他にも電気自動車や電気自転車のレンタルも行っている。
プロジェクトでは今後、小水力発電所の2号、3号の設置に向けても努力していくとしており、より一層の低炭素社会、小規模分散型社会の構築を目指す。
でんき宇奈月プロジェクト
http://www.denki-unazuki.net/index.html