バイナリー発電システム完成
株式会社東芝と株式会社神戸製鋼所は、風力・太陽熱・バイオマスを熱源とするバイナリー発電システムの実験設備を南あわじ市(兵庫県)に完成させ、稼働を開始した。
(画像はプレスリリースより)
このシステムは、熱エネルギー源に風力・太陽熱・バイオマスを組み合わせ、沸点の低い熱媒体の加熱・蒸発で生成した蒸気でタービンを回して発電する。自然条件に左右されない電力の安定供給に加え、温水の供給も可能。発電出力は70kW。
建設は環境省の補助事業として、兵庫県と南あわじ市には「あわじ環境未来島構想」の一環として協力を受けた。実証試験では、株式会社南淡風力エネルギー開発の風力発電設備(出力1.5MW)の電力を使用。実験期間は2014年度末までの予定。
システムの設備は、太陽熱集熱装置(大型6台、小型64台)、バイナリー発電機(1台)、バイオマスボイラ(木質ペレット焚ボイラ1基、竹チップ焚ボイラ1基)、デジタル制御装置一式(太陽熱・風力余剰電力制御)。バイオマスボイラは九州オリンピア工業製。
実証実験を開始
東芝は太陽熱集熱装置、太陽熱発電システム全体を制御するシステムを開発し、設備建設と試験全体を取りまとめる。太陽熱集熱装置で回収した熱をバイナリー発電と温水供給の熱源に活用。制御システムで風力発電設備からの電力を制御システムで平準・安定化。
神戸製鋼は太陽熱集熱装置と木質バイオマスボイラを熱源にバイナリー発電システムを開発。バイオマスボイラは補助熱源として設置、燃料は木質ペレットと淡路島の竹チップ。
実証試験で、東芝は太陽熱集熱装置が小規模施設での電気・熱供給源として実現性があるかを検証、神戸製鋼はコンパクトで高効率のパッケージ型バイナリー発電装置を検証。今後、災害時に役立つ地産地消のエネルギー源への活用など、再生可能エネルギーの利用拡大につながることを期待している。
東芝株式会社プレスリリース
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