太陽光発電の自家消費率向上が課題
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、株式会社NTTドコモ、株式会社NTTファシリティーズ、日立化成株式会社、株式会社日立情報通信エンジニアリングと、ドイツ連邦共和国での太陽光パネル、蓄電池、ヒートポンプ、HEMSを組み合わせた住宅用システムの実証運転開始式を2016年5月30日に実施した。
ドイツでは再生可能エネルギーが電力需要の20%以上を占めているが、太陽光発電の発電コストの低減で電力系統から購入する電気料金と等しくなり、固定価格買い取り制度は実質終了し、売電するメリットは失われている。
さらに、発電する電力が消費電力より大きい場合、電力系統に電力の流れが向かうが、配電線容量の制約や配電系統の電力の品質低下によりこの逆潮流が難しくなっている。そのため、太陽光発電で発電した電力を自家消費し、売電しないシステムの構築が求められている。
住宅用システムの実証運転
NEDOは、2015年7月23日、ラインラント・プファルツ州シュパイヤー市、シュパイヤー電力公社と基本協定書(MOU)を締結した。同市は電力供給を100%再生可能エネルギーで賄う目標を掲げている。
MOUにより、NEDOと同市、同公社、住宅供給公社GEWO(ゲボ)社とは、エネルギーを地産地消する「エネルギー自己消費モデル」の確立を目指し、スマートコミュニティ実証事業に取り組む。
このたび、蓄電技術、ヒートポンプ温水器による蓄熱技術、情報通信技術を組み合わせ、太陽光発電の自家消費率を向上させる実証システムの構築を完了した。今後、同市内の集合住宅(2棟x16戸)を実証サイトとして、2018年3月まで実証運転を行っていく。
(画像はプレスリリースより)
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100576.html