業務・産業用発電装置の製品化
Hitz日立造船株式会社は、2016年5月17日、固体酸化物形燃料電池(以下、SOFC)による業務・産業分野用発電装置の製品化に向けて、20kW級の実証機を完成させたと発表した。
燃料電池は都市ガスやアルコール、アンモニアなどの燃料を直接電気に変換するため、出力は小さくても発電効率が高い。発電時に騒音や振動を起こさず、水素を燃料として使用した場合、排出されるのは水のみとなる。
すでに製品化された車載用、家庭用に続き、業務・産業用でも、数kW~数百kW規模の燃料電池を搭載した発電装置の導入が期待されている。
2017年度の市場投入を視野に
同社は、定置用発電装置として高い発電効率を得られるSOFCの製品化および事業化に取り組んでいる。これまでに、燃料に都市ガスを使用した要素試験、セルスタック評価試験、10kW級試験機などの発電試験を実施してきた。
今回、築港工場内に据え付けた20kW級実証機では、主要部品に日本特殊陶業株式会社の平板積層型セルスタックを採用し、50%以上の送電端効率を実証する。これは使用電力が数十kWと熱利用の少ない、食品スーパー、コンビニ、オフィスビル、集合住宅などを対象に、2017年度を目途に市場投入を図るものである。
同実証機は「再生可能エネルギー世界展示会(6月29日~7月1日・パシフィコ横浜)」の同社ブースで展示する。
同社は、今後、燃料多様性をもつ20kW級固体酸化物形燃料電池の実証機をバイオ燃料にも適用する考えである。
(画像はプレスリリースより)
Hitz日立造船株式会社 プレスリリース
http://www.hitachizosen.co.jp/news/2016/05/002157.html第11回再生可能エネルギー世界展示会
http://www.renewableenergy.jp/2016/